お化け屋敷で上段蹴りはありなのか?

【お化け屋敷の今】空手5段男性がお化けを殴って「解決金1000万円」訴訟合戦 現役アクターが明かす「お化けも気を遣う」時代(マネーポストWEB) - Yahoo!ニュース

Yahooニュースに、古い事件が今になって新たな動きがあったので拝読していました。
店側の責任や、お化け役のマニュアルなど、色々考えることはありますが、今回は空手5段の男性が上段蹴りをお化けに放ったところが気になりました。

ここから先、決して、この男性の方を責めたり非難する意図はありません。あくまで私見としての感想をつぶやいています。

まず、記事によると、この男性が太秦映画村のお化け屋敷を訪れたのは2011年とだいぶ昔のことです。
東映太秦映画村のお化け屋敷といえば、後楽園や富士急ハイランドに並び、日本屈指?の怖さで知られるそうです。
男性は当時30代。30代で5段とは大したものです。よほど普段からよく練習をしているか、よほど実力のある方なのでしょう。(参考に柔道の場合、オリンピックに何回も代表として出場するような選手だと、30代で5段くらいだったりします)

とにかく空手にずいぶんと力を入れていた方なのは間違いないでしょう。
まして当時、社員旅行の途中であったこと、飲酒をしていたことから、気が大きくなって仲間たちにいい所を見せたいなんて気持ちもあったかもしれません。お化け屋敷でパニックになるかは個人の問題ですが、それでもとっさに上段蹴りが出て相手のあごを粉砕してしまうとは、空手に携わる者としてはにわかに信じがたい話です。そもそも上段蹴りは、ある程度狙って出すもので、とっさの反射神経で出せるほど簡単な技ではありません(一般的には)。

この男性の方を非難するつもりも、運営側の不手際や、お化け役の「やりすぎ」?を指摘するつもりもありません。

ただ、空手という武道の道にいるものとして、せめてお化け屋敷に(しかも苦手な)入るなら、手を出さないように気を付けようとするか、一般の方と同じように悲鳴でもあげながら逃げ回ればいいだけだったはずです。お化け(一般人)に、あわよくば上段蹴りを食らわせてやろう、かっこいい所をみんなに見せよう、と少しでも思っていたのなら、それは虚栄心ややりすぎであり、決してあってはならないことです。現にこの事件では、「ごめん」ではすまない大けがを相手にさせています。

いざというときに手を出せない武道がなんの役にたつのかと問われると難しいですが、少なくとも空手の技は自分より弱いものや、一般人にふるうものではありません。お化け屋敷は、脅かしこそしても、決して危害をくわえてくる場所ではないのは、わかっていて入場するものでしょう。

道場では、己を抑える力、冷静に判断をする力を鍛えています。空手は決して強さだけを求めるものではなく、自分に厳しく、人にやさしく、一般の方以上に人格者として成長してほしいものです。

どうかみなさん、日ごろ鍛えた技が不幸な結果を招かないよう夏休みを過ごしてください。

The Kimodameshi duo

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