大きな大会や遠征に備えるメンタルトレーニング④ ~海外編~
オリンピック開催まであと10日ほどになりました。
今回のテーマは、海外に行くときに想定しておきたいことをまとめます。
筆者も大勢を引率しながらアメリカに何度も行った経験があります。
特に初めての引率は、個人や家族で行くのと比較にならないレベルで疲れたことを覚えています。
自分だけでなく、選手のことまで気を配らなければならないコーチやスタッフは、そこも覚悟が必要です。
さて、選手たちに目を向けます。
何度も海外遠征の経験がある選手はともかくとして、あまり慣れていない選手や、初めての海外の選手を想定します。
〇入国審査は一人で対応する。何を聞かれるのか、何と答えるのか?事前に練習をしておく。
〇長時間の飛行機は体力を削られる。服装はスーツではなく、リラックスできるもので。
〇飛行機内で想定されることも事前に教えておく。機内食や飲み物が配られるときや、離着陸のアナウンスが何を言っているかなど。
〇ほしいものはどこで買えるのか、それがいつのタイミングか、スケジュールを伝えておく。
(飲み物を買いたいのに、次のお店が何時間後か分からない・・・・を言い出せない選手もいます)
〇通訳の人に頼んでいいことはどこまでか。個人的な買い物も付き添ってもらえるのか。
〇もし迷子になったら誰に、どうやって連絡をするのか。
〇ポータブルWi-Fiや両替はどこで確保できるか(空港にもあります)。
〇貴重品はどのように管理するのか。
〇ポータブルWi-Fiがない場合、スマホの利用にも注意。着信でも国際料金がかかることに。
ざっと挙げただけでも、なかなか多いものです。「そんなことも?」と思うものもあるかもしれません。
個人的な経験ですが、思い出深いのは飛行機の離着陸アナウンスでした。
それ以外の時は聞かれたら教える、というコミュニケーションがとれますが、離着陸の時は完全に座っていなければなりません。
前の方の席に座っている自分の仲間が、機内アナウンスで何を言われているのかわからず、明らかに困惑している人が見えるのに、席が離れていて声をかけられなかったことを鮮明に覚えています。(どうにかフライトアテンダントの方が手振り身振りで伝えてくれました)
近年はポータブルWi-Fiが借りられることもあり、海外でも気軽にスマホを触れるようになりました。
LINEなどを使って、家族や友人と時差もなくコミュニケーションできることは、大きな安心感になるようです。
特に全国大会や国際大会に、そう毎回出ているわけではないチームや選手の時は、ぜひコーチやスタッフの方からこのあたりのケアをしてあげられるとよいでしょう。みんなが当たり前に知っているほど、本人だけ聞くに聞けなくて困ってしまう、とならないようにしたいものです。