一般に、日本人は「謙虚」「遠慮」「謙遜」「自省」などを美徳とする傾向があると言われます。

スポーツ心理学の研究でも、欧米ではチームが勝利すると「自分のおかげ」と評価する選手が多いのに対し、日本人は「自分なんて」と遠慮し、チームメイトや仲間を称賛し労うことが美徳とされますし、また、そうするように親や先生が指導することも想像に難くありません。

 

その結果、本当にコンディションが悪いときや、本当にミスをしたとき、選手の頭の中は必要以上にネガティブな感情が吹き荒れてしまうのでしょう。「何をしているんんだ、俺は・・・」「今日はダメだ」「次もミスしたらどうしよう」など、自分で自分をマイナスな方向により追い詰めてしまうことになります。

 

臨床心理学の世界で高名な森田正馬先生(森田療法の創始者です)は、このような状態を「精神交互作用」と呼びました。
マイナス感情に注目し集中することで、余計に心も体も調子が悪くなってしまい、それが更なるマイナス感情を生み出すという悪循環です。

マイナス感情にならないよう、普段から訓練をしておくことの重要性は、ここのコラムでも何度も指摘してきました。

今回は、難しいことではなく、非常に簡単な方法をお伝えしましょう。

 

ずばり、考えるのをやめることです。

思考のストップです。

それだけです。

 

くよくよ考えて、物事がよい方向に行くなら一晩中でもくよくよする甲斐もあるかもですが、そんなわけありませんね。

 

それならいっそ、考えるのはやめましょう。前日の夜も、当日の試合前もです。

 

オリンピックのフルマラソンで、日本人として初めて金メダルをとったQちゃんこと、高橋尚子選手は、「考えるの、や~めた!」というおまじないと唱えると、くよくよ考えるのをぴたっとやめられるとテレビでコメントされていました。それは高橋選手の持つ天性の明るさからくる強さもあるでしょうし、名将と呼ばれた小出義雄監督の指導の賜物でもあるかもしれません。

 

シンプルにして強力な技だと感動したのを今でも覚えています。

 

考えすぎていつも疲れてしまう方は、ぜひ練習してみてください。