大きな大会や遠征に備えるメンタルトレーニング① ~シミュレーションをする~
1年遅れの開催となった東京オリンピックまで、あと1か月ほどになりました。
新型コロナウィルスの感染拡大の影響もあるため、開催そのものには賛否両論あるかと思います。
しかし、ここまで文字通り人生をかけて競技に取り組んできた選手・スタッフ・ご家族・チームメイトや友人たちの、長く血のにじむような苦労や努力に深く敬意を払い、全ての国の全ての選手の皆様のご健闘をお祈りしたいと思います。
さて、今回はオリンピックとまではいかなくても、ここぞという大舞台や慣れない遠征で知っておきたいメンタルトレーニングに焦点をあてていきます。
つい先日、水泳の日本代表選手たちがオリンピック当日の時間の流れと全く同じタイムスケジュールで大会を行い、当日のシミュレーションをしたとニュースがありました。それこそが、今回のテーマである「シミュレーション・トレーニング」です。
大会や遠征の場合、どうしても1日のスケジュールそのものからして、いつもと大きく異なります。
例えばいつもの大会なら、決勝戦は夕方にあるのに、オリンピックでは競技によっては午前中だったりします。
他にも、いつもの大会なら効率よく試合が進み、そんなに試合の間が空かないのに、オリンピックだと次の試合までひどいと4時間も5時間も待ち時間があったりするようです。これでは身体も冷えるでしょうし、緊張感ももたないでしょう。大変なことです。
シミュレーショントレーニングでは、例えば1日の流れがどのように進むのか、食事はいつ何を食べれるのか、空調や気温はどうか、控室やアップルームがあるのか、コーチやセコンドは何人帯同できるのか、それこそスマホを持ち込めるのかまで、出来るだけ忠実に当日の様子を再現して実施します。特に慣れない土地に行く場合、次に何があるのか、どこで何が出来るのか、ある程度だけでも分かっておくとずいぶん安心します。
これによって、選手やスタッフにも「経験」が蓄積され、当日の動き、持ち物、緊張感の高め方や鎮め方など、さまざまな工夫や改善を見つけられます。1回でもこれがあるというのは、当日のメンタルに大きくプラスの影響を与えられるでしょう。
できる限り忠実に再現してやってみる練習。
意外とやれそうでやれていませんので、ぜひ検討してみてください。
*しばらくはオリンピックに関連するテーマをあげていく予定です。