コミュニケーションについてゆっくり語ってきましたが、今回が最後のテーマになります。
これまでも触れてきましたが、私たち指導者は、選手や子どもたちを相手に、否定したり馬鹿にしたりせずに話を聞くことが大切です。

 

多くの指導者の場合、ご自身の勝利の方程式や、成功の経験をお持ちでしょう。
「こういう風にやればいいんだ」を持っているからこそ、指導者になろうと思えるのかもしれません。

 

大事なことですので、再度確認をしましょう。
指導者やコーチと話し終えて、選手は「わかってもらえた」「言いたいことが言えた」と、晴れ晴れとした、これからの練習が楽しみになるような、そんな気分で戻っていったでしょうか。

それとも、年長の指導者からの一方的な「感情的な反応(怒り等)」や「強引な丸め込み」や「アドバイス」や「説教」に、うなだれるように下をむいて、力ない声でお礼をいって、足取り重く戻ったり、やっと解放されたという表情になっていませんか。もし後者だとしたら、おおいに反省するべきは指導者です。

 

私も若い学生や練習生と話をする機会は多くあります。
彼らは私たちほど人生経験も豊かではないため、そんな気もなく、不用意な言葉を使ったり、不適切な仕草や態度をとることがあります。

時にそんな言葉や態度に、私たち指導者が傷つけられることがあるのも、また事実です。
「こんなに思ってやっているのに、なんだあの言い方は。なんだあの態度は。」と、不愉快な気分になって「もう2度と奴らの話なんか聞かない」なんて思ってしまうこともあります。

 

指導者というのは、大変なものですね。
選手には分からない苦労、分からない思いを、たった一人で(数人で)抱えながら走り続けます。

きっとそれは、選手も同じでしょう。
指導者には分からない思い、苦悩、痛み、悩みを抱えつつ、それでも練習に取り組み続けます。

 

せめて私たち指導者が、年長で経験豊かだからこそ、若い練習生や子どもたちのこともしっかり受け止めてあげてはいかがでしょうか。

何もかも受け止めて、全部背負って、それでもまだ走り続けられる。

それは、選手時代にはなかった、指導者だからこそ持てる心の強さ・おおらかさだと私は思っています。