「あがってしまう」を克服するには⑥ 危機的場面でとっさの意識の持ち方
競技においては、相手とポイントや点数が接戦になり、1つのミスも許されないような緊迫した場面に出会うことがあります。
そんな極度の緊張感の中で、紙一重の差で勝ったとき・負けたときというのは、その後一生記憶に残るようなことも珍しくありません。
その場面はどんな場面でしょうか。
例えば野球で考えてみましょう。
前のバッターが続けてヒットを打って出塁し、まさに今、打席に立った自分は「大チャンス」をむかえた。
ここまで調子よく投げてきたのに、急に乱れて打たれ始め、まさに今自分は「大ピンチ」をむかえた。
状況はこの2つに大別できるかと思います。
さて、その中でさらに当の本人の心の中は・・・・
「ここで打てなかったらどうしよう。自分のせいで負けてしまう」
「ここで抑えたら今日のヒーローは自分だ。目立つチャンスだ」
皆さんなら、どちらの選手がこのあとヒーローになれたと思いますか?
ここが、今回の話のポイントになります。
もちろん勝負は運や周りの状況も含めて決まるので、当人の心の在り方だけがすべてを決めるわけではありません。
しかし、「ここぞ」というときに、とっさに、瞬間的に、心の中をよぎるその思いや言葉が、後ろ向きなものよりは前向きなもののほうが、その後のパフォーマンスが良くなるのは自明でしょう。
普段から、これを練習しておく必要があります。
緊張する場面や、緊迫した場面をわざと設定し、その中で自分に前向きな言葉や思いをとっさに向ける。
こんな練習ができている人がどのくらいいるでしょうか。
ぜひ、今日からさっそく取り組んでみてください。普段から、常に、とっさに出るようにです。