今回は選手同士、コーチ同士などグループで話し合う場面を考えてみます。
高校や大学などの部活動では、大会で勝つために本気で厳しい練習を積み重ねたいのか、それとも皆が楽しくやれればいいのか、このテーマで部員同士が終わることのない悩みや苦しみを味わうこともあるようです。

カウンセリングの技法にも、グループワークを想定したものがいくつかあります。
スポーツ場面で応用しやすい形として、以下のような方法はどうでしょうか。

(場所)
できれば騒音や邪魔の入らない環境。自分たちだけになれる場所が望ましいでしょう。

(時間)
無制限にせず、ある程度制限をつけておきましょう。例えば1時間まで、とか。

(人数)
全員参加が望ましいですが、多すぎると話しにくい・聞き取りにくいものです。10人くらいを目安にします。
(話し合いの目的によって、立場が近いもの同士、立場が異なるもの同士など、分けてもよい)

(テーマ)
これはコーチや指導者が最初に設定し、あまりに脱線する話題が出るときは軌道修正をします。

(手順)
①今日の話し合いは、どんな目的をもって行うのか。それによって何を目指しているのか説明を。
また、何かを決める場合は最終的な決定者が誰なのか(多数決なのか)先に決めておく。
②ここで話されたことは「この時間・ここ限り」のもので、あとで叱責を受けたり、不利な扱いを受けることはないと約束。
③ここで話されたことは、口外しないこと。ここだけの話として終わることをよく確認。
④テーマにそって、まずは自由にしゃべってもらい、メンバーを一巡する。質問や反論はしない。
⑤一巡したら、話したい人が挙手して意見交換を進める。
できればずっと黙っている人がいる場合は、たまに促すのもあり。話したくない人もいるが、それはそれで認める。
⑥十分意見がそろったところで、最終的な決定と確認をする。

不思議なもので、勝手に決められた決定よりも納得がいくこと、自分と同じような思いの人がいただけで安心すること、自分の意見を聞いてもらえただけですっきるすることなど、たくさんの効果が得られるでしょう。

職場において高いパフォーマンスを発揮する集団にあるものは、「心理的安全性」の高さだという研究があります。
これは、ぬるい目標に甘え、緊張感のない空気に浸るという意味ではありません。
心理的安全性とは「何かを言っても大丈夫」という意味の、相互の安心や信頼関係の高さを指します。
その何かとは、賞賛もあれば、不安や懸念や批判や意見だったりします。
心理的安全性の高い職場では、こうした意見がより多く飛び交うことで、事前の準備や求めるパフォーマンスがより高いものになり、完成度の高い仕事ができるのだと考えられます。

ぜひ、グループで話し合うコミュニケーションを大事にしてみてください。