練習生のやる気を高めたいときに指導者ができること。その1つに、フィードバックが挙げられます。

ところがこれが意外に奥が深いんです!

先輩、コーチ、監督、顧問、師範・・・立場は違えど、上手にフィードバックできる方を、私もそう多くは知りません。

まず、フィードバックは大きく3種類に分けられます。

1つ目は視覚的フィードバックです。
たとえばプレイ中の様子をスマホで撮った動画を見せたり、数字や表にまとめて見せるのはこのやり方です。

2つ目が言語的フィードバックです。
文字通り、言葉を使って声をかけていきます。「もう少し!」「よし!」「上手くなっている!」などでしょう。

最後に、非言語的フィードバックもありますね。これを入れると3つになります。
これは、口調や声色、表情やしぐさ、指導者からの期待や諦めなど、雰囲気や空気として伝わるもの全てです。
厳に慎みたいのは、口に出さなくても指導者の胸の中にあるマイナスの感情は練習生に伝わってしまうものです。
そうです。そんなものほど伝わりやすいんです。期待や希望は、なかなか伝わらないのに皮肉なものです。

 

さて、フィードバックを伝えたいときは何にを気を付けるのか、まとめてみました。

 

①具体的で簡潔に。
長々、くどくどと伝える必要はありません。「よし!」「あと5センチ右!」例えばこんな一言があるだけで違うでしょう。

 

②初心者には少なく簡潔に、上級者には詳細な情報を多めに。
初心者に「重心が・・」「足の指の向きが・・・」とやたら細かい指導をされる指導者がいますが、初心者は大きな動きを大きくできるようになることが先です。できていないことを全て伝えると逆にやる気を落としますので、1つか2つ程度にして教えすぎないようにします。対して上級者には、細やかで抽象的で精神的な、例外的な話をたっぷりしてもよいかもしれません(それでも汗で身体が冷えない程度で)。

教えたいことが山ほどある指導者ほど、あれもこれもと教えたくなるものです。しかし、練習生の現在の力量をよくみて、そのレベルに見合ったものを、少しずつ教えていくのもまた指導者の手腕だと私は思います。あれもこれも教えても、練習終了後に覚えているのは結局1つか2つです。

 

③フィードバックは早めに。
良かった点、悪かった点をあれこれ覚えておいて、来週の練習で伝えるか・・というのはやめましょう。
伝えるなら今日です。今日というか、今すぐです。
これは特に子どもの場合は大事です。叱るのも褒めるのも、その場ですぐに。心がけたいものです。

 

④できるだけ誉め言葉を多くする。
武道やスポーツの指導者になるような方は、ご自身が精神的にも肉体的にも強く、タフな方が多いかもしれません。しかし、練習生も同じとは限りません。残念ながら私の指導をしてくださった師匠も、そうめったに褒める方ではありませんでした。その姿を見て練習していた私は、自分はもっと褒めて指導しようと誓ったものでした。「俺はめったに褒めない。ちょっとできるようになったとしても、そんなの俺から見たらまだまだだ」と、武道の道の険しさを説く方もいらっしゃいます。しかし、心理学的には人はやはり褒められて伸びるものです。1つ注意して、2つ褒めるくらいの感覚で、声をかけていきたいものです。

えらそうに語りましたが、私自身がフィードバックは完璧かと聞かれたら、もちろんそうではありません。

私自身もまだまだ未熟で、こうしたフィードバックも日々練習と反省あるのみです。

もちろん、私もたまには誰かに褒められたら、やはりうれしいものです。