心だに 誠の道にかないなば
祈らずとても神や守らん

菅原道真
興誠館の三本柱

至誠(しせい)

「誠」とは言葉と行動が一致していること。

うそをつかないこと、約束を守ること、己が信じることにまっすぐに挑み続ける生き方である。こうした当たり前を、当たり前に出来ることを大切にしたい。

不言興志(ふげんこうし)

「興」とは自ら行動を興すこと。

桜の木は、誰に見られなくても、毎年春になれば花を咲かせ、黙って散っていく。誰にも褒めてもらえなくても、認めてもらえなくても、黙って自分のやるべきことをやる。興誠館は、黙って自ら行動する者たちの集団でありたい。

報本反始(ほうほんはんし)

「本(もと)に報い始めに返る」と読み下す。「本」とは天地のこと。「始」とは祖先たちのこと。

天地の神と祖霊に対する感謝の気持ちを忘れないことを大切にする。今の時代があるのは、私たちの祖先が戦争や災害など大きな苦難を幾度も乗り越え、それでもなお決して希望と努力を絶やすことなく、諦めずに積み上げてきた時代の続きであることへの、感謝を忘れずに生きることを大切にする。

指導者が大切にしてほしい考え

守破離(しゅはり)

守:師の教えを忠実に守り、教えられた通りに基本ができること。
破:基本を大切にしながら独自の考えや工夫を加え、主体的かつ自律的に稽古に取り組む。
離:自ら道場や支部や部活を創設し、組織を育てながら教え子たちに興誠館の知識や技術や教えを伝え広め、次の世代に道を繋いでいく。

自灯明(じとうみょう)

自らが灯り(あかり)となり、周りを照らす生き方を大切にしてほしい。

刻石流水(こくせきりゅうすい)

受けた恩義は小さくても忘れず、人にかけた恩は気にせず忘れてしまう姿勢でありたい。

練習生が大切にしてほしい考え

一以貫之(いちいかんし)

「一を以て之を貫く(いちをもってこれをつらぬく)」と読み下す。
始めたことは最後までやり抜く。一つの技を徹底して磨き上げ、全てを貫く。

克己守礼(こっきしゅれい)

感情や気分に振り回されず、結果や理由に関係なく相手への敬意と感謝を行動で示す。

万里一空(ばんりいっくう)

ただひたすらに努力すること。どんな稽古にも、全てに意味と価値がある。